セラミドのおはなし

6.セラミドでしっかり潤いケア

みずみずしい潤い肌の決め手となる成分!「セラミド」についてのおはなし。

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医学博士 芋川 玄爾 先生

監修:中部大学・生物機能開発研究所 客員教授

医学博士 芋川 玄爾 先生

(セラミド研究会顧問)

同じ水分でも、全く異なる性質の水自由水と結合水とは?

水分はその状態によって“自由水”と“結合水”の2種類あります。この水分の状態を正しく理解することが、真の保湿ケアを理解する上で重要です。

自由水は普通に存在している水で、摂氏0度以下で凍る水です。また乾燥下ではすべて蒸発する水です。一方、結合水はセラミドなどによりラメラ構造に組み込まれた水です。ラメラ構造の中でしっかりと結合されて動けないため、氷の結晶を作れず-40℃でも凍らない水(不凍水)で、もちろん極度の乾燥下でも蒸発できない水です。

正常な角層に存在する30%の水はすべて不凍水(結合水)でこのため南極観測隊のメンバーは厳冬で-40℃の環境でも顔を外にだして活動できるのは、角層に存在する水はすべて不凍水(結合水)であるためです。凍る水があると凍結により体積が膨張するため角層の構造が破壊されます。

したがって乾燥下で本当に保湿力のある水分は結合水です。普通の化粧水や乳液に配合されている保湿剤は結合水ではなく自由水を保つ機能があります。一方、結合水をしっかりと保持できる保湿成分はセラミド以外には知られていません。

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結合水をつなぎとめて潤いを保つ。セラミドでしっかり潤いケア。

化粧水をたっぷりつけるだけで“保湿したつもり”になっていませんか?

肌の表面はしっとりしているようでも、セラミド不足で水分をつなぎとめる力が弱まっていたら、すぐにカラカラ、カサカサに。化粧水や乳液の中に入っているグリセリンや天然ポリマー中の水分は自由水ですから乾燥下ではすぐ蒸発して飛んで行ってしまいます。

でもしっとり感が残っていると思っているのはその天然ポリマーのヌメリ感をしっとり感と誤解しているのです。化粧水や乳液は、あくまでも肌の表面を整えるものという役割であり、肌本来のしっとり感や水分量を肌表面で感じることは困難です。

大切なのは、肌そのものが水分を結合水として保つ力を育むお手入れです。ツヤのある、しっとり肌を育むためにも潤いケアを!

セラミドが足りなければ、水分を与えても乾くだけ。

潤いケアは1にも2にも保湿なので、化粧水で水分をたっぷりとチャージ。手で肌を触って吸い付く感じがしたら、ケア完了…と思ってしまいがちです。でも、肌の表面はしっとりとしているみたいでも、時間が経つとすぐに乾いてしまうのはなぜでしょうか?

スキンケアで水分を“与える”だけでは、水分は肌からだんだんと蒸発。本当の意味での潤いケアはできていません。しっかりと潤いケアするには肌そのものが水分をしっかりとつなぎとめる力を育むお手入れをすること。

角層の細胞の間にあるセラミドをきちんと機能させて、水分を結合水として沢山保持して、水分が逃げ出しにくい肌を保つケアが重要です。

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大事なのはセラミドで乾燥に立ち向かうチカラをつけるケア。

毎日のお手入れをがんばっても乾燥が気になるのは、肌の内側で水分をしっかりとつなぎとめる力を育んでいないから。角層細胞の間にある脂質の主成分である、セラミドが不足すると、結合水として水分を抱える力が弱まり自由水が増えるため、水分が外に逃げ出しやすくなり、過剰に蒸発してしまいます。

水分を結合水としてつなぎとめる力がなければ、化粧水で保湿したつもりでも、肌の中は徐々にカラカラ。さらに困ったことに、もともと肌にあった水分(自由水)まで一緒に奪われて、乾燥はさらに加速してしまうことも。

水分を与えるだけでなく、その水分を結合水として保持し、乾燥に立ち向かう力を高めてこそ、潤い肌を保つことができるのです。

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角層の水分の約半分を抱える、セラミドなどの角層細胞間脂質。

目指すのは、いくつになってもなめらかで、ふっくらハリのある肌。若々しい美肌の目安となるのが、肌の水分量です。

そこで今、美容分野で注目されているのが、セラミドなどの“角層細胞間脂質”。肌表面の正常な角層に存在する約30%の水分はすべて-40℃でも凍ることのない結合水(不凍水)であることが分っています。

肌表面の角層に含まれているこの30%の結合水のうち約半分以上を抱えているのが角層細胞間脂質だからです。残りの15%は角層細胞を満たしているケラチン繊維に結合しています。しかも、角層細胞間脂質のうち、約50%を占めているのはセラミド。肌の結合水量を効率的に上げて、潤いで満たすには、セラミドをいかに増やすかがポイントというわけです。

本当の潤いケアには、セラミドをいかに増やすかが重要なカギなのです。

水分を補うだけでなく、セラミドで効率のいい潤いケア。

潤い肌に重要な角層細胞間脂質・セラミドですが、残念ながら年齢とともに減少してしまいます。また、紫外線やストレス、ゴシゴシ洗いすぎるなどの生活習慣によっても減少。セラミド不足では、スキンケアをがんばっても肌から水分が逃げ出してしまうばかり。せっかくのお手入れもムダになってしまいます。年齢を重ねることでセラミド不足が気になり始め、50代になると、セラミドの量は20代の頃の実に半分にまで減ってしまうことが分っています。

自分の肌でセラミドを作り出す力を取り戻すためにも、取り入れたいのがインナー美容。セラミドを外側から塗ることに加え、体の中でセラミドの合成を促進し、作って増やせる“飲むセラミド”がより有効です。

どうしても乾燥に傾きがちな私たちの肌。セラミドの力で、賢く効率よく、潤いケアを続けていきたいですね。

まとめ

毎日きちんとお手入れしているのに乾燥が気になるとしたら、セラミドが不足して、肌の保湿機能が十分に働いていないことが考えられます。肌内部の水分をきちんと保つセラミドを増やして潤すためにもセラミド配合の食品などで補給。カラダの内側からの潤いケアが年齢を重ねた乾燥しがちな肌も、健やかでみずみずしい肌へ導きます。

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