INTERVIEW 01

65年もの間、
ひとつのブランドが残ることは
大変すばらしいことと思います。

「チョコラBBプラス」第3類医薬品開発・製剤担当 池松康之

PROFILE
池松康之 Yasuyuki Ikematsu:OTC医薬品の製剤研究に従事した後、13年間、新薬開発を担当。現在は本社の品質保証部門に所属。
Q 「チョコラBB」のリニューアル版として「チョコラBBプラス」を開発されましたが、
担当になられた当初はどのようなお気持ちでしたか?
弊社のOTC(一般用医薬品)ブランドの中で最も知名度が高い商品ということもあり、やりがいを感じたと同時に、リニューアル課題を達成できるか不安もありました。合成色素から天然由来色素に変更することや、錠剤の大きさや強度など、ミッションは難題ばかりでした。
Q 一番大変だったことはどんなことですか?
天然由来色素を用いて色ムラのないオレンジ色(BBカラー)の糖衣錠を設計することでした。医薬品に使用できる色素は極めて限られていたことから、オレンジ色を発色させるには、全く異なる2種の色素を水溶液中に均一に分散させ、色ムラのない仕上がりに発色させることが大変難題で、色素の添加量など100回を超える検討、さらに約50回の製造条件検討を実施しました。
Q 開発にはどのくらいの期間を要しましたか?
約3年です。最も注力した点は、オレンジ色の発色と錠剤強度の向上です。諸先輩から詳細な指導やアドバイスをいただきながら2003年「チョコラBBプラス」が完成しました。
Q 「チョコラBB」と比較すると「チョコラBBプラス」は、有効成分の増量もしましたが、
どのような意図からですか?
開発を始めた2000年頃は、iMacやWindowsが次々と発表されネットバブルでした。ITが急激に進み、日々の仕事で疲労を感じている女性は明らかに増えています。そのような時代背景から、働く女性をサポートするための成分配合を行いました。
Q 今年「チョコラBB」が65周年を迎えるにあたり、感想をお聞かせください。
65年もの間、ひとつのブランドが残ることは大変すばらしいことと思います。これは「チョコラBB」に対するお客様の長年に渡る支持や支援の賜物と強く感じています。今は商品開発を担当していませんが、常にお客様の声を敏感に感じ取り、新製品開発部門に伝達するとともに、自らの経験を踏まえた開発支援を行っていきたいと思っています。